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一般社団法人 国際オーシャンリハビリテーション協会
オーシャン リハビリテーション プロジェクト
Ocean Rehabilitation Project
2025年に開催される『大阪・関西万博』までに、大阪湾を江戸時代の頃のような、人や魚が集う綺麗で豊かな海域に、リハビリして戻そうという
国際オーシャンリハビリテーション協会(IORA)のプロジェクト
概要
昨年6月に日本で初めて行われた『G20大阪サミット』で採択された、海洋プラスチックごみによる新たな汚染を2050年までにゼロにすることを目指す「大阪・ブルー・オーシャン・ビジョン」を契 機として、また2015年国連サミットで採択されたSDGs(持続可能な開発目標 2016年から 2030年までの15年間で達成すべき目標)のおおよそ中間年度2025年に開催されることが決まっ た『大阪・関西万博』までに、その開催予定地である夢洲(ゆめしま)周辺の北港地域を中心に、大阪湾を綺麗で豊かな海域に戻すべく実践します。
その大きな柱は2本、「海ごみの調査・回収・防止」と「藻場の調査・再生・保全」です。 最終的には、『オーシャン・リハビリテーション・プロジェクト』を日本中に普及・促進させるのが目的となっておりますが、まずは私の住む大好きな大阪の海でそれらの取り組みを始めます。
SDGsとORP
SDGs(持続可能な開発目標)とオーシャン・リハビリテーション・プロジェクトとの関連性を目標の番号で表した場合、主にゴール12、14、および17に該当します。
●ゴール12:つくる責任つかう責任
●ゴール14:海の豊かさを守ろう
●ゴール17:パートナーシップで目標を達成しよう
SDGsの本質は「変革」です。日本人は「改革」や「改善」、「改変」は得意ですが、「変革」に対しては本能的に拒絶や回避してしまいがちです・・・。 ORPの第一ターゲットである『大阪湾』をまったく違った存在にすっかり変えることを目指します。
ビジョン
2025年の『大阪・関西万博』の開催や統合型リゾート(IR)誘致による大阪ベイエリアの活性化を見込んで、その際に訪れる外国人観光客に大阪の「綺麗な海・素敵な街・活気ある人々」を体感して もらって、リピーターの大幅な獲得に繋げていくことを目指します。
また大阪湾・湾奥部のウォーターフロントをビーチリゾート化して、賑わいのあるベイエリアを構築、人々や魚たちが集まる豊かで楽しく華やかなものにしたいです。
大阪湾の再生はファーストステップであって、将来的にSDGs(持続可能な開発目標)のゴール14「海の豊かさを守ろう」の目標達成のため、全地球規模の活動に発展させていきたいと考えています。
ミッション
年々世界的な深刻さを増す海洋プラスチック汚染ですが、プラスチックが世に出てからおよそ1世紀、 本格的な製造・加工が始まってからおよそ半世紀余り、急激な右肩上がりで生産量が増えてきましたが、廃プラスチックによる海洋環境破壊に対して、どの国もどの企業も責任を果たしていません。
すでにもう手遅れであると苦言を呈する学者・研究者も多い中、このまま放置してさらに環境破壊が 進むことは「生命誕生の起源・母なる海」に対する冒瀆であると考えられます。
また、浅海域に住む海洋生物の生態系に大きな影響を与える「海のゆりかご」藻場ですが、特に大阪湾・湾奥部では壊滅状態にあり、藻場の再生も最重要なミッションの一つと言えます。
現状
近年、大阪湾はもちろんのこと、全世界的に海洋環境汚染が深刻化しています。とりわけ、海洋プラスチックごみ問題は地球環境を考えるうえで、最重要かつ最優先課題のひとつとした位置付けになっています。
2050年頃には、なんと海に生息する魚類の総重量よりも海中のプラスチックの総重量の方が重たくなってしまうとの試算結果もあります。
また、埋め立て・浚渫など港湾開発や地球温暖化の影響による海水温度の上昇などで、豊かな海を維持するのに欠かすことのできない藻場が急速に減少しています。
特に重篤なプラスチックによる海洋汚染を軽減・防止し、藻場を再生して魚たちや人々が集う昔の綺麗な大阪湾にリハビリテーションすることを目的に取り組んでいきます。
ごみなどの廃棄物による水質汚染とともに、大阪湾の環境汚染に大きな影響を与えている原因に、藻場の減少、干潟・砂浜の消失、海底(浚渫)窪地、栄養塩類のアンバランスなどがあげられます。 これらの問題を同時並行して解決していかなければなりません。 単に水質を浄化・改善するだけではなく、海洋の生態系・生物多様性を保全・回復する社会を実現するためにはトータルに対処する必要があります。
昨年の3月に行われた国連総会において、2021~2030年を国連生態系回復の10年に指定するとの発表がありました。 SDGs(持続可能な開発目標)の達成年を意識したものでしょうが、わがオーシャン・リハビリテー ション・プロジェクトもそれに5年前倒しで追随していきます。
2015年のCOP21(第21回気候変動枠組条約締約国会議)で採択されたパリ協定という取り組み。 全体目標は世界の平均気温上昇を産業革命前と比較して2℃未満に抑えること、加えて1.5℃に気温 上昇を抑制する努力目標も規定されました。
そして、これらの目標を達成するために、21世紀後半までに人間活動による温室効果ガスの排出量を実質的に0にする方向性が打ち出されました。温室効果ガス、とりわけCO2の削減に藻場と干潟の再生・保全はとても重要な役割を果たします。
海草や藻類などの海洋生物が光合成で吸収するCO2 から貯留された炭素「ブルーカーボン」が現在注目されています。 藻場や干潟にはブルーカーボンを蓄積する場としての役割だけではなく、魚介類を育てる食料供給、 海岸浸食の防止、水や川に触れることで親しみを深める親水など多様な価値があります。
プロジェクト
オーシャン・リハビリテーション・プロジェクトの具体的内容としては、以下の6つがあげられます。
①藻場の再生
②干潟・砂浜の造成
③ブルーカーボンの利用
④海ごみの回収
⑤水質の浄化
⑥生態系の回復
藻場
大阪湾の再生に大きな比重を占める藻場ですが、湾内の開発によってその多くが直立護岸となっており、干潟の消失による藻場の激減が問題になっています。
太陽光が十分に届く浅海域にアマモを始めとする多くの海草が生育しますが、直立護岸のままでは藻場の再生は極めて難しいと言えます。
そこで、人工的に段差を造り、その各々の水深に適した海草・海藻を 着生させる方法を取ります(階段式・上図参照) この他にも「凹凸式」「桟橋式」「複合式」など数種類ありますが、 ケースバイケースで対応することになります。
これらを進めていくことで、藻場の再生と海洋生物の生息域の確保を同時に達成していきます。
干潟
干潟は、陸域から流れてきた有機物や栄養塩が集まる場所で、アサリのような二枚貝やゴカイ類、カニやヨコエビなどの甲殻類といった底生生物が暮らしています。
また、干潟は魚や鳥の餌場としても、微生物による有機物分解や水質 浄化の場としても、非常に重要な役割を果たします。しかしながら、元々大阪湾に存在した干潟の大部分は消失してしまい、 干潟や浅場の再生も急務となっています。
人工的に干潟を造る場合、海底面からかなりのかさ上げが必要となり、 基盤材をどのようなものにするかが問題になってきます。
これには、アスファルトコンクリート塊、コンクリート塊などの「建設副産物」の活用が有効です。
ブルーカーボン
ブルーカーボンとは海草や藻類、植物プランクトンが光合成などでCO2から炭素を取り込み、その炭素を生物が利用する過程において海中の生態系に貯留される炭素のことを言います。
海域で貯留される炭素をブルーカーボン、そして森林など陸域で貯留 される炭素をグリーンカーボンと区別して呼ばれています。 アマモ場などの海底泥中に貯留されたブルーカーボンが、数千年程度 分解されずに残存するということがわかっています。
海洋全体の面積の1%にも満たない浅海域(海底まで光が届くエリア) が、貯留される炭素全体の約73~79%を占めていることなどから、 浅海域である藻場や干潟を再生・保全することによって、 結果CO2を閉じ込めることになります。
Go Green Cube
GoGreenCubeは、使い捨てカイロが持つ水質浄化能力を利用して開発された画期的な再資源化製品。 主な特徴としては・・・。
①使用済みのカイロを利用することにより、資源を有効活用した理想的な循環型リサイクルシステムを構築します。
②成分に含まれる鉄イオンがヘドロに反応し、水質浄化に貢献します。
③水質改善によってもたらされる植物性プランクトンの活性化は食物 連鎖全体の改善や生態系の回復に繋がっていきます。
④また、植物性プランクトンの活性化は光合成をも活性化し、それによる藻場の再生・保全にも寄与することとなり、結果的にCO2が吸収され貯留されていきます。
シービン
シービン(Seabin)は海に浮かせてごみを集めるという、その名の通り「海のごみ箱」(Sea=海 / bin=ごみ箱)で、平均回収量は1日当たり1.5kg、1年で0.5トンを超えるごみの量になります。
原型を留めるマクロプラスチックから2mm超のマイクロプラスチックなどの浮遊ごみ、オイルや有毒物質も収集することができます。
ウォーターポンプは毎時25,000リットルの吸い込み能力があって、 吸い込まれたゴミはキャッチバッグで回収され、水はポンプで水中に戻される仕組みです(右図参照) シービンを北港地区夢洲周辺の浮遊ごみが滞留しやすい場所に設置し、 海ごみ、特にプラスチックごみの回収と分析を進めるとともに、景観上も綺麗な海にしていきます。
ベンテン
ベンテン(BENTEN)は世界初の循環型水質浄化装置で、このシステムを導入することによって、 以下の7つの効果が期待できます。
汚水の汚れと水分子を分離することで、水をきれいにする。 水が自ら浄化する作用を促す。
汚水中に住む生物やバクテリアを活性化し、分離された汚物を分解。
マイナスイオン化した酸素が長期間水中に留まるので広い範囲に拡散。
アオコの削除、または発生を抑えることができる。 アンモニアを分解することによって、嫌な臭いが軽減する。
水の透明度があがる・・・これらのことから、アメリカ環境保護庁などから高い評価を得ています。
清掃部隊
クリーンアップレンジャーズ・・・淀川流域から大阪湾に流れ込むプラスチックごみを水際で食い止めようと淀川河川公園を中心に定期的に活動するボランティアの清掃部隊。
海に流出するプラスチックのおよそ8割が陸域を起源とするものです。
雨に流され、風に飛ばされ、故意に河川に投棄されたプラスチックの終着点は海で、その後ほとんど分解されることなく、世界中の海域で蓄積されていきます。
あるものは海底に埋没し、あるものは漂い続け、 あるものは崩壊してマイクロプラスチックとなって、生態系を脅かす存在になります。
オーシャンリハビリテーションプロジェクトにおいては、河川に加えて大阪湾北港地区・南港地区の清掃と調査も並行して定期的に取り組んでまいります。
結 び に
オーシャン・リハビリテーション・プロジェクトの目標達成年度に行われる『大阪・関西万博』の メインテーマは「いのち輝く未来社会のデザイン “Designing Future Society for Our Lives”」 ですが、開催地が埋め立てによって造られた人工島であることから、 「海洋博」をサブテーマに追加しようという動きがあるようです。
そうなれば、このプロジェクトにとって最高のフィナーレになります。
また、将来的に全国、あるいは全地球規模での取り組みを目指すためにも「持続可能(サステイナブル)」なことが必要不可欠です。 それには、海洋に限らず環境活動をどのようにビジネス化できるかが、今後の大きな課題と言えます。
今までにない画期的な環境活動ビジネスモデルの構築にも、並行して取り組んでまいります。
概要
SDGsとORP
ビジョン
ミッション
現状
プロジェクト
藻場
干潟
ブルーカーボン
ゴーグリーンキューブ
シービン
ベンテン
清掃部隊
結びに
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